詩的

千草湊のブログ

2013年12月

うた2






真夜中に小さく耳を澄ませれば
星の瞬く音ぞ聞こゆる







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昨夜の星がとてもきれいでした。
クリスマスを過ぎてからがニッポンの見せどころ(大晦日&正月)だと思っているふしがあります。(^。^)



おはなし20



石畳の広場の片隅で
青年はヴァイオリンを奏でていました

12月の街灯が放つ光に
やわらかな音符はゆっくりと溶け
静寂の響く広場はぬくもりを抱き始めます

青年のヴァイオリンが揺れるたび
本屋では書棚から言葉と絵があふれだし
扉の隙間を抜けて石畳の上に踊り出ました

陶器屋のショーウィンドウでは
揺れないスカートをひらめかせた花売りの人形が
軽やかなステップを踏んでいます

以前出会った少女に似た人形に
青年はにこりと微笑みかけて
彼女の好きだったクリスマス・キャロルを一曲

その音色が少女に届いて
陶磁器のハートは軽やかにカタリと音をたてました

春になったら彼女をウィンドウから連れ出そうと
約束をこめたキャロルが
今宵、少女へのクリスマスプレゼント

再びハートがカタリと鳴ります

やさしくふりそそぐヴァイオリンの音は
街灯とともに
石畳のパーティー会場を
青白い頬をほのかに染めて微笑む少女を
奏者である青年自身を
いつまでも包み込むのでありました









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荒井絵梨さんのヴァイオリンリサイタルのプログラム用に寄稿させていただいたおはなしです。
12月だったのでクリスマスちっくに。
ヨーロッパの広場ってなんであんなに魅力的なんでしょう。




うた1






「また明日」「うん、また明日」と交わし合う
子供たちに 永遠の明日を
 






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そういえば昔短歌を作っていたこともあるので、カテゴリー増やしてみました。
三十一文字の制約の中で、もぞもぞと指折り数えてことばをそろえてくのは楽しいですね。



ことば33




雨のような言葉と
わたしたちはめぐりあう

予報どおりに
ときに
突然に

饒舌に
ときに
寡黙に

感情をそだてるなら
言葉がいい



風のような音色を
わたしたちは耳にする

あたたかく
ときに
つめたく

激しく
ときに
優しく

感情をかなでるなら
音楽がいい



雨風をふせぐために
屋根や壁はできたというけれど
わたしたちが持っているのは
光の屋根や壁なのだ
そこを通ってきたものが
わたしたちの糧になる

そだて
かなでよ
わたしたちの光はいつも
ここにある


 

~MUSAIに寄せて~

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昨日は荒井絵梨さんのヴァイオリンリサイタルに行ってきました!
お花でロビーを飾るのを担当させていただいたのですが、さらにプログラムにことばとおはなしをひとつずつ載せていただきまして。
これはそのひとつ。
少し前にツイッターでも呟きましたが、このことばをピアノのマルコさんのためにイタリア語に訳していただいたのですよー!
マルコさんにも気に入っていただけたようで、とっても嬉しかったです!わー!

MUSAI(ムーサイ)というのはギリシャ神話に出てくる9人の女神たちの総称です。
抒情詩や悲喜劇、音楽などの女神がいる中で、今回は言葉と音楽に絞ってみました。

プログラムはわたしの確認ミスでちょろっとほんのわずかな誤植(?)があったので、こちらにも載せてみました。すみません…!
おはなしのほうはもうちょっとクリスマスが近づいたらアップしようかな♪

演奏はもちろん、久しぶりな同級生にもばったり出会って思わぬ楽しい時間になりました。
最近はいろんな方にお会いしたり、こうして生演奏を聴く機会も多々あって、ものすごく濃い時間を過ごしていると実感します。
それぞれに刺激を受けてパワーをもらって、わたしももっと精進しなければ、精進したいと強く思いました。
吸収したものをきちんと形にするべくがんばろうっと。

お花の記事はこちら



ところでなんだか内腿のあたりが筋肉痛なんですが、これは変な体勢でお花いけたせい?同じく変な体勢で写真を撮ったせい?
なんだかプルプルしてる…。

あ、そうなんです、絵梨ちゃんにリハーサル時の写真撮影を頼まれて撮っていたのですが(奇しくもカメラマンデビュー?笑)、人物なんてほとんど撮ったことがないので勝手わからず。。どなたかヘルプミー!
少しでもよい写真が撮れているといいなぁ。

それにマルコさんにシチリアのミニフォトブックを見せたとき、写真の腕も褒めていただいたんですが、あれは本当にわたしの腕じゃなくてカメラのおかげなんです…!!と声を上げて言いたかった。(中学英語で挫折したわたしにはとてもじゃないけど言えず。^^;)

そんなわけで個人的にベルギーのフォトブックも鋭意製作中です。
なんだかこの前行ってきたばかりだと思っていたのにすでに懐かしい。




ことば32



 
ペンの色こそもっと雄弁に
書かれた言葉を物語ってもいいものなのに。
マンダリンオレンジの起床時刻に
ブルーブラックの『薔薇12本』



  
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