こんぺいとう



傷つくたびにこんぺいとうを食べていた。
かりぽりぽり
奥歯で砕けるももいろの小粒を想像し、あまりの甘さに顔をゆがめた。
けれどその甘さはいまのわたしにとって必要な甘やかしだと思えたものだから。
かりぽりりと口にする。
口の中でゆっくりと溶けるきいろい小粒に、なぜだか愛おしささえ感じる。
こんぺいとうの数だけ傷つき、傷ついた数だけのこんぺいとうがわたしのからだで消化されてきた。
かりぽりり
いやされるということは、こんぺいとうのやさしさだ。
あんなにたくさんとがっているのにそれは、やさしさと甘さに満ちあふれている。
かりぽりぽり
かりぽりり
お茶がほしい。
しぶいしぶいお茶がほしい。
人生けっきょくは苦さだって必要なもの。
そう思いながらもわたしはこんぺいとうを口にする。
傷ついて、ひとつぶ かりり。
また傷ついて、ふたつぶ ぽりり。
そのうち虫歯になるかもしれない。